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もっと「映え」を意識したアトリエ風景が撮れたらいいのですが…

  • 美術大学.美大受験 .アート教育.アートの本質 .理論と実践 .自己表現 #自己ブランディング

【目次】

  1. もっと「映え」を意識したアトリエ風景が撮れたらいいのですが…
  2. 制作内容も技法もバラバラ!共通するのは「熱量」のみ
  3. 写真を撮ると「ザ・制作現場!」になってしまう理由
  4. 作った笑顔はゼロ。でも、この場所から「実力者」が育つ
もっと「映え」を意識したアトリエ風景が撮れたらいいのですが…

アトリエの日常風景を皆さんにお見せする時、本当はもっと「映え」を意識した素敵な写真が撮れたらいいなと思うことがよくあります。

世間一般の人が想像する美術教室のイメージって、もっとスタイリッシュで優雅なものだったりしませんか?たとえば、真っ白で無機質な壁面に、こじんまりとしたお洒落なイーゼルが等間隔に整然と並んでいる。そこには背筋をピンと伸ばした品の良い生徒さんが座っていて、キャンバスには可愛らしいお花とか、愛犬などのペットちゃんが描かれている。

あるいは、清潔感のある空間で、まるで聖女が静かに祈っているような、木漏れ日の中でゆったりと本を読んでいるような……そんな穏やかで美しい空気が流れる写真が撮れれば、きっとSNSでも見栄えが良いのでしょうし、「素敵な教室ですね」と言ってもらえるのかもしれません。しかし、実際のところ、当長崎絵画教室(indies art club)は、到底そんな感じにはならないのです。

制作内容も技法もバラバラ!共通するのは「熱量」のみ

なぜ、あの優雅でSNS映えするイメージのようにはならないのか。それは、うちに集まる皆さんの「多様性」と「本気度」に理由があります。

ここには、制作する内容も、使っている技法も、アトリエでの滞在時間も、絵画のキャリアも、見事に何もかもが違う人たちが集まっています。昼下がりからふらりとやって来てイーゼルに向かう方もいれば、それぞれの生活の合間を縫って駆け込んでくる方もいて、そのまま夜の10時過ぎまで、ただひたすらに自分の作品と向き合い、制作を続けていくのです。

年齢も背景もバラバラな皆さんに唯一共通しているものがあるとすれば、それは圧倒的な「熱量」があることのみ。キャンバスに向かう姿勢、表現を探求する眼差し。それぞれが全く違うベクトルで、深い熱中の中にいます。そんな個性と熱気が交差する場所が、お行儀よく整然と片付いているわけがないのです。

写真を撮ると「ザ・制作現場!」になってしまう理由

アトリエの中は、大小さまざまなキャンバスや、多彩な画材、それぞれが試行錯誤した痕跡であふれています。決して綺麗に整理整頓された空間とは言えません。

しかし、不思議なことに、そんな雑然とした空間の中で絵筆を握る皆さんの心は、とても涼しく、安らかです。目の前の表現に没頭することで得られる解放感があり、心が満たされ、深く充実しているのが伝わってきます。

ただ、その充実した美しい時間を写真に切り取ろうとカメラを向けると、どうしても「ザ・制作現場!」という、泥臭くて熱気あふれる風景にしか写らないのです。木漏れ日の中で優雅に筆を動かすお茶会のような雰囲気ではなく、まさに何かを生み出すための戦場のような、生々しいアトリエのリアルがそこにあります。

作った笑顔はゼロ。でも、この場所から「実力者」が育つ

そのため、アトリエでの皆さんの様子を撮った写真には、カメラに向けた「作った笑顔」や、よそ行きのポーズは一つもありません。

顔出しNGの方も多くいらっしゃるので、ここで皆さんの豊かな表情を直接お見せできないのが本当に残念なのですが、レンズの向こう側には、とても自然な表情で、安心しきっている皆さんの姿があります。誰の目も気にすることなく、ただ自分の内面と向き合い、心からリラックスして制作に没頭できる居場所としての空気が、そこには確かに流れているのです。

映える綺麗な写真は撮れないかもしれません。整然とした美しいアトリエには見えないかもしれません。しかし、この熱気と安心感が同居する、泥臭くもリアルな「ザ・制作現場」だからこそ、本質的な表現力が磨かれていくのです。

表面的な見栄えではなく、本気でアートに向き合えるこの場所から、確かな力を持った「実力者」が着実に育っています。