絵を描いて「もう無理だ」と投げ出しそうになったあなたへ。途中の過程と心の変化を楽しむ思考法
- #大人の習い事 #長崎絵画教室 #大人の趣味 #長崎 #indiesartclub
絵を描いていると、ふとした瞬間に手が止まってしまうこと、ありませんか? 「よし、描くぞ!」と意気込んでキャンバスに向かったものの、途中からどう描けばいいかわからなくなったり、思い通りにいかずに「ああ、もう無理だ…全然進まない」と嫌になってしまったり。
さらには、そうやって描き途中にしてしまう自分に対して「また投げ出してしまった」「何をやっても長続きしない」と落ち込んで、自信をなくしてしまう……。絵を描く人なら、一度は経験したことがある悩みかもしれません。
今回は、長崎のアトリエ「indies art club」に寄せられた、ある24歳の生徒さんからのお悩みをご紹介します。動画内での先生と生徒のリアルな会話やニュアンスをそのまま紐解きながら、「描けない」壁にぶつかったときの乗り越え方や、絵を描くことの本質について考えていきましょう。
お悩み紹介
生徒:「先生、今日のお悩みです。絵を描いていたら、いつも途中で『もう無理だ』と言って投げ出してしまいます。」
【相談カルテ】
年齢:24歳
悩み:何事も長続きせずに、自信が出ない。
絵を描くたびに弱音を吐いて投げ出してしまう。そして「何事も長続きしない」と挫折感を抱えて自信をなくしてしまう……。そんな切実な悩みに対して、アトリエの先生はどのように答えたのでしょうか?
1. 先生だって「俺もよ!もうやれーん」ってなる
このお悩みを聞いた瞬間、先生から飛び出したのは意外な一言でした。
先生:「俺もよ!『もうやれーん』って(笑)」
実は、絵を教える立場である先生自身も、描いている途中で「あ、もう無理だ」「これ以上描けない」となることが日常茶飯事なのだそうです。プロであっても、常にスムーズに描き進められるわけではありません。
では、描き途中で「無理だ」となったとき、先生はどうしているのでしょうか?
先生:「ちょっと寝かしておく。で、別の絵を描きながら『あ、なんかあれ行けるかも?』って次の日くらいに思って、突然描くとかね。」
無理にその場で描き続けようとせず、一度その絵から距離を置いて一晩寝かせてみる。そして別のキャンバスに向かったりしているうちに、ふと「あ、こうすれば行けるかも」とアイデアが舞い降りてきて、突然また描き始められることがあると言います。
先生が語る最も大切なポイントはここです。
先生:「途中で無理だと投げ出してしまった後に、どうしているかが問題ね。もう一回手をつけるのか、それとももう投げ出してしまって封印してしまうのか。どっちかよね。」
「もう無理だ」と思ったこと自体が悪いわけではありません。その後に「一時休止」として寝かせて再び手をつけるのか、完全に諦めて封印してしまうのか。この違いこそが運命の分かれ道なのです。
2. 「諦めなかった」という経験が、確かな自信に変わる
「何事も長続きせずに、自信が出ない」という悩みについて、先生はこう分析します。
先生:「これ、美術とか絵を描くこと以外にも挫折したり自信がなくなったことが多いのかな。まあ、うちのアトリエに来たならそうね、絵だけでも『自分が諦めなかった』っていうところまで行けば、自信がつくんじゃないですか?」
ここで生徒から「登山と思ってね。途中で『もう歩けない』と思っても、そこで下山するんじゃなくてちょっと休憩。一晩寝かすくらいの気持ちで」という言葉が添えられます。
山を登っていて足が止まったとき、即座に諦めて下山してしまうと、それは「途中で挫折した」という記憶になって残ります。しかし、ベンチに座って休憩し、一晩置くくらいの気持ちで息を整えてから再び一歩を踏み出せば、それは「挫折」ではなく「必要な休憩」になります。
諦めずに後からもう一度手をつける。そうやって最終的に「自分は途中で諦めなかった」という境地に辿り着くことができれば、それは「自分はやればできるんだ」という確かな自信へと繋がっていくのです。
3. 絵を描くことに「ゴール」はない。君が諦めたところで終わり
そもそも、絵を描くことにおいて「完成」や「ゴール」とは何なのでしょうか?
先生の言葉は、絵を描く多くの人の心をスッと軽くしてくれます。
先生:「絵を描くってゴールがないからさ。君が諦めたところで終わりよ。」
絵画には、スポーツのように明確なゴールラインやタイムリミットが存在しません。「ここで完成!」と決めるのは、他の誰でもなく自分自身です。つまり、自分が描くのをやめて諦めてしまった瞬間が、その絵の終わりになってしまいます。
先生:「だからさ、ゴールがないと思って途中を楽しむわけだからさ。」
「完璧なゴールに辿り着かなきゃ」と結果ばかりを意識してしまうから、途中の描けない時間が苦痛になってしまいます。しかし、「そもそもゴールなんて存在しないんだ」と思えば、キャンバスに向かっている「途中のプロセス」そのものを楽しめるようになるのです。
4. 「始めよう」と「無理だ」の間にある、感情のグラデーションを見つめる
最後に先生は、絵を描くときの「心境の変化」について語ってくれました。
先生:「だから変化していく様子、自分の心も変化するでしょう。そこをちゃんと見た方がいいね。『始めよう』『無理だ』って2つしか感情がないわけじゃないもんね。その途中の感情を見つめた方がいい。」
私たちはつい、物事を「成功か失敗か」「始めるか諦めるか」といった二次元的な感情で捉えてしまいがちです。 しかし、描いている最中のあなたの心には、もっとたくさんのグラデーションが存在しています。
-
「この色を重ねたら、どんな風に変わるかな?」という小さな好奇心
-
「思ったのと違う形になっちゃったな」という困惑
-
「でも、この偶然できた線も悪くないかも」という発見
-
「少し疲れてきたから、温かいお茶でも飲もう」という息抜き
絵がキャンバスの上で少しずつ表情を変えていくように、あなた自身の心も刻一刻と変化しています。「もう無理だ」というネガティブな感情だけに捉われるのではなく、その途中で生まれた様々な気持ちや変化を丁寧に見つめてあげること。それが、絵と長く楽しく付き合っていくためのヒントです。
まとめ:途中の変化を楽しもう!
絵を描いていて「もう無理だ」と壁にぶつかったときは、決して自分を責める必要はありません。プロの先生だって「もうやれーん!」と頭を抱えることがあるのですから。
そんなときは、そっと筆を置いて一晩寝かせてみてください。 そして、下山してしまうのではなく「ちょっと休憩」をして、また気が向いたときにキャンバスに向かってみる。
「始めよう」と「無理だ」の間にあるたくさんの感情や、絵が変化していくプロセスそのものを楽しんでいきましょう!
