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「どこまで描けば完成?」美術にゴールが見えない時の楽しみ方

  • #大人の習い事 #長崎絵画教室 #大人の趣味 #長崎 #indiesartclub

 

■ 目次

  1. 「どこまで描けば完成なのか」という永遠の悩み

  2. 美術を「タスク」のようにこなしていませんか?

  3. 次の正解は?迷ったらとりあえず「行き止まり」まで行ってみる

  4. 足し算と引き算のシーソーゲームこそが醍醐味

  5. 動き(ムーブマン)のつながりを感じ、自分だけのゴールを探す

1. 「どこまで描けば完成なのか」という永遠の悩み

 

大人の趣味として美術を始めたばかりの方、あるいはこれからアトリエの扉を叩こうとしている方から、本当によく聞かれるお悩みがあります。

 

それは「どこまで描けば完成なのかわからない」「作品のゴールがどこにあるのか見えない」という切実な声です。 アトリエに漂う油絵の具の匂いや、木炭が紙を擦る心地よい音に包まれながらも、心の中では「これで合っているのだろうか?」と葛藤している方は少なくありません。

 

普段の仕事や生活の中では、何かを始める時には必ず「明確な完成形」や「終わりの基準」が用意されています。プロジェクトの完了、タスクの消化、スケジュールの達成など、目指すべき正解が最初から設定されていることがほとんどでしょう。だからこそ、いざ真っ白なキャンバスや画用紙に一人で向かった時、その「終わりのなさ」に戸惑い、立ち止まってしまうのはごく自然で、当然のことなのです。

 

2. 美術を「タスク」のようにこなしていませんか?

 

ビジネスの現場などでは、効率よくタスクをこなし、最短ルートで成果を出すことが非常に優秀なスキルとして評価されます。しかし、その「タスク処理」の思考のまま美術に向き合おうとすると、たちまち息苦しくなってしまいます。

 

「次は何をすればいいですか?」「どうすれば正解になりますか?」「いつまで描けば完成ですか?次の手順を教えてください」 そうやって指導者に次々と答えを求めてしまう状態は、実は、そもそもの「美術の楽しみ方」が少し違っている状態なのです。

 

美術において一番大切で、かつ一番面白いのは、「次はどうすればいいか」「自分はどうしたいのか」を、とりあえず自分自身で探すこと。その迷い、試行錯誤する過程そのものがアートであり、美術という行為の核心です。

 

そこを誰かに委ねて正解をもらってしまっては、本当に楽しい部分を放棄してしまうことになりますし、結果として自分自身の力で上達していく道も遠のいてしまいます。

 

3. 次の正解は?迷ったらとりあえず「行き止まり」まで行ってみる

 

では、ゴールがわからない、正解が見えない時、一体どうすればいいのでしょうか。

 

答えは非常にシンプルかつ力強いものです。「どこまで行ったらいいかわからない」のであれば、とりあえず「行き止まり」まで行ってみましょう。限界まで描き進めてみるのです。

 

時折、失敗を恐れるあまり、足し算も引き算もせずに表面的な段取りだけをなぞり、上澄みをすくうように無難に終わらせてしまう方がいます。

 

しかし、それでは自分の表現の限界を知ることはできませんし、心の底から湧き上がるような面白さには到達できません。 色が濁ってしまうかもしれない、画面が真っ黒になってしまうかもしれない。

そんな不安な時こそ、手が止まりそうになる時こそ、あえて思い切り筆や鉛筆を動かし、進めるだけ進んでみる。絵の具を盛り上げ、線を重ねてみる。行き止まりの壁にぶつかって初めて、そこからどう抜け出すかという真の観察が始まります。

 

 

4. 足し算と引き算のシーソーゲームこそが醍醐味

 

作品作りにおいて大切なのは、躊躇せずに要素を加えることです。まずは馬鹿みたいに極限まで足し算をして、画面を情報と熱量でいっぱいにしてみる。そして、そこから初めて一歩引いて全体を眺め、「あ、ここはやりすぎたな」「この要素はいらないから削ろう」と気づき、余分なものを引き算していくのです。 引きすぎて画面が寂しくなってしまったら、また少し足してみる。

 

この、足しては引いてを繰り返す「シーソーゲーム」のようなやり取りこそが、美術の最大の楽しいところです。効率よく一直線に完成へ向かうのではなく、行ったり来たりしながら自分なりのベストな着地点を探り当てる。

その泥臭い過程を楽しむ心のゆとりを持つことが、結果的に作品へ深い説得力を与えてくれます。

 

 

5. 動き(ムーブマン)のつながりを感じ、自分だけのゴールを探す

 

手を動かし続ける中で、ただ漠然と描き込むのではなく、画面全体の動き(ムーブマン)のつながりを意識しながら調和を探っていきます。

 

部分的な描写にとらわれるのではなく、全体の流れや形の連なりがピタッと噛み合う瞬間を探すのです。このつながりが見えてくると、誰に言われるでもなく、いつしか「ここが自分のゴールだ」と腑に落ちる瞬間が必ず訪れます。

 

そこを自分自身で見つけ出すことこそが「アートだろう、美術だろう」と言えます。

 答えのない世界で、自分だけのゴールを見つける。その贅沢で豊かな時間を、ぜひ一緒に楽しんでいきましょう。