どこまで描けば完成? ゴールがわからないあなたへ(長崎の美術教室からアドバイス)
次は何をすればいい? それを聞くのは楽しみ方が間違ってる!
とりあえず「行き止まり」まで行ってみよう
足し算と引き算のシーソーゲームが美術の醍醐味
どこまで描けば完成? ゴールがわからないあなたへ
「どこまで描き進めれば完成なのか、ゴールがわかりません」
これ、本当によく聞くお悩みです。普段の生活や仕事において、効率よくタスクをこなすのは得意だという方は多いでしょう。チェックリストを作り、一つひとつの課題をクリアしていく。
そういった「正解」や「明確な終わり」がある作業に慣れていると、美術のようにゴールがない世界に足を踏み入れた途端、どうしていいか分からず苦手意識を持ってしまうんですよね。
「これ、どこまで描けば完成なんですか?」と、つい誰かに正解を求めて聞きたくなってしまう気持ちは痛いほどよくわかります。
しかし、美術において「完成」という明確なラインは、実はどこにも引かれていません。
タスク管理のように「ここまでやれば100点」という基準がないからこそ、多くの人が筆を止めて悩んでしまうのです。
次は何をすればいい? それを聞くのは楽しみ方が間違ってる!
「完成がわかりません」「何をすればいいですか」「次教えてください」
そんな風に、次にやるべきことの答えばかりを求める人は結構いるのよ。
でもね、美術ってさ、「何を次にすればいいか」とか「どうすればいいか」とか、とりあえず自分で探すのが一番大事やん?
誰かに指示された通りに筆を動かすのは、ただの作業です。自分で考え、悩み、試行錯誤しながら「次はこうしてみよう」「この色を置いてみたらどうなるだろう」と探求していくプロセスこそが、一番楽しいところであり、それがなかったら決して上手くならんとこやん。
「次どうすればいいんですか」「どこが完成ですか」「いつまで描けば完成ですか」って人に答えを求めてしまうのは、そもそも美術の楽しみ方が間違ってるよね、って思うわけです。
そこを自分で探すのがアートだろ、美術だろって言われるんですよ。
正解がないからこそ、自分だけの表現を見つける喜びに溢れている。それが美術という世界の最大の魅力なんです。
とりあえず「行き止まり」まで行ってみよう
「そうは言っても、どこまで行ったらいいかわからないから困っているんです!」という声が聞こえてきそうですね。
だったら、とりあえず「行き止まり」まで行ってみたらいいんです。
頭の中で「この辺で完成にしておこうかな」「これ以上やったら失敗するかも」とブレーキをかけるのではなく、もうこれ以上は何も描けない、手が動かないという限界の場所まで、とにかく描き進めてみる。突き詰めてやってみましょう。
途中で絵がぐちゃぐちゃになったって構いません。行き止まりまで全力でぶつかってみることで、「あ、ここがやりすぎたラインなんだな」という自分の中の基準が初めて見えてきます。安全圏でまとまった小綺麗な絵を描こうとするのではなく、一度限界まで振り切ってみる経験が、あなたの殻を破る大きなきっかけになるはずです。
足し算と引き算のシーソーゲームが美術の醍醐味
絵を描くとき、足し算も引き算もせずに、上澄みだけをすくうように段取りだけで綺麗に仕上げようとする人は意外と多いのよ。
でも、それじゃあ深みのある作品にはなりません。
まずは、バカみたいに足し算してみるんです。色を重ね、線を増やし、画面に限界まで情報を詰め込んでみる。
そして、そこから「これは余分だな」と思うものを削ぎ落とし、引いていく。
その過程で「あ、引きすぎて物足りなくなっちゃったな」と思ったら、また足していく。
この「足しては引いて」をシーソーみたいに繰り返すのが、美術の楽しいところじゃん!
このシーソーゲームの中で生まれる偶然の色彩や、思いがけないマチエール(絵肌)こそが、作品に圧倒的な説得力と生命力を与えてくれます。
初めから最短距離でゴールを目指すのではなく、寄り道をして、迷子になって、行ったり来たりする泥臭いプロセスを思い切り楽しんでください。
完成のゴールは、誰かが教えてくれるものではありません。
あなたがシーソーを揺らし続けたその先に、「ここだ!」と心が納得する瞬間が必ずやってきます。
まずは恐れずに、キャンバスに向かってバカみたいに足し算することから始めてみましょう!
