美術系は才能がないと無理?親御さんから一番よく聞かれる疑問
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美術系は才能がないと無理?親御さんから一番よく聞かれる疑問
美術や芸術の道に進みたいと考えたとき、誰もが一度は大きな不安にぶつかります。
「才能がないと、美大や芸大に進むのは無理なのでしょうか?」という切実な疑問です。
実はこの質問、受験生本人からよりも、心配されるお父さんやお母さんから一番よく聞かれる言葉なのです。
進路相談の席などで、「うちの子に才能はありますか?」「このまま美術を続けさせて大丈夫でしょうか?」と、多くの方が不安を抱えていらっしゃいます。
確かに、世間一般的に美術の世界は「センス」や「生まれ持った才能」という言葉で特別視して語られがちです。
そのため、最初から選ばれた特別な何かを持っていなければ挑戦すらしてはいけないと思い込んでしまうのも無理はありません。
しかし、現場で長く生徒たちを見てきた実感から言えば、その認識は少し違います。
時間を忘れて朝になってしまう…それが「才能」の正体
「絵の才能」という言葉から、皆さんはどんなものを想像するでしょうか。
生まれつきデッサンが完璧だったり、最初からプロ顔負けの色彩感覚を持っていたりする魔法のような力を思い浮かべるかもしれません。
しかし、本当の「才能」の形はもっと泥臭く、熱いものです。
例えば、一枚の絵を描き始めたら、まるで時間が止まったかのように没入してしまい、ふと気づいたら外が明るくなって朝になっていた経験はありませんか?好きで好きでたまらなくて、寝ても覚めてもずっと絵のことばかり考えて、手を動かし続けている。
そういう人、きっといるはずです。 実は、これこそが本当の意味での「才能」なのです。
時間を忘れるほどのめり込めること、寝食を忘れて夢中になれる情熱。
その圧倒的な「好き」というエネルギーと集中力こそが、美術の世界で生き抜いていくための最も強靭な才能の正体なのです。
30年以上教えて気づいたこと。最初から驚くような才能を持った人はいない
「そうはいっても、やっぱり生まれ持った特別な才能がある一握りの人もいるのでは?」と反論したくなる人もいるでしょう。
しかし、30年以上という長い年月にわたって数え切れないほどの生徒たちに絵を教えてきた経験からハッキリと言えるのは、「最初から驚くような才能を持った人なんて、ただの一度も見たことがない」という揺るぎない事実です。
最初から何でも完璧にこなせる天才など、現実の教室には存在しません。
それよりも、「この作家の作品がたまらなく好きだなあ」「自分もこんな風に表現してみたいな」と純粋に心を動かされ、憧れを抱ける人の方が強いのです。
そうやって対象を愛し、手を動かし続ける人が、結果的に自分の中からいろんなものを発見し、時間をかけて驚くような成長を遂げていきます。
才能の芽は後で出る!諦めない気持ちこそが一番の武器
つまり、才能の芽というものは、最初から分かりやすい形でポンと置かれているわけではないのです。
それは土の中でじっくりと育ち、ずっと後になってからようやく地上に顔を出し、花開くものです。
だからこそ、描き始めた最初の段階で「自分には才能がないから無理だ」と見切りをつけて諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
才能があるかどうかなんて、最初から分かる人はいません。
本当に大切なのは、上手くいかなくても簡単に諦めない気持ちです。ひとつの作品にじっくりと向き合い、集中して手が止まらなくなる気持ち。
思い通りに描けなくて壁にぶつかっても、「それでも描きたい」としがみつく執念。
そういった心のあり方こそが、後天的に才能を育てていくための最も強力な栄養分になります。
センスや才能よりも大切なのは「ここでやっていきたい」という熱意と意志
美術の世界では、どうしても「センス」や「才能」という響きのいい言葉が一人歩きして、過剰に語られがちです。
しかし、長いスパンで物事を見たとき、そういった不確かなものよりもずっと確実で大切なものがあります。
それは、「自分がこの分野で、美術の世界でずっとやっていきたいんだ」という、心の底から湧き上がる熱意です。
そして、「何があっても描き続ける」という固い意志とやる気です。
才能の有無を気にして立ち止まる前に、まずは自分自身に問いかけてみてください。
自分の中に「どうしても描きたい」という熱い意志があるかどうかを。
その熱意と意志さえあれば、あなたはすでに、美大を目指すために必要な最も立派な「才能の種」を持っているのです。
